2016年9月に出版された『コンピュータで「脳」がつくれるか』という本を読みました。すごくよかったので、紹介します!
- 作者: 五木田和也,青木健太郎
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2016/09/27
- メディア: 単行本
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読んだきっかけは、著者の方がはてなブログを書いていて、私はもともとそのブログの読者でした。そのブログの中で、書籍の紹介があったので、気になって購入しました。
コンピューターで「脳」がつくれるか? FAQ編 - Sideswipe
本書のよかったところは、数式やプログラミングの知識なしで最近の人工知能事情を理解することができる点だと思います。人工知能とか機械学習といったフレーズを聞くと、専門的で敷居が高い気がしますし、実際に人工知能関連の本は決して初心者にもわかりやすいとは言えないと思います。そういう点では、この本は、今までの本とは少し毛色が違っていて、エンジニアではない方にも理解しやすいように書かれています。
東京大学の松尾豊先生が書いた
人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)
は、2016年のビジネス書大賞にも選ばれ、人工知能の本としては、かなり有名になりましたが、紹介する本は、より内容を噛み砕いており、絵や図を多く使っているため、わかりやすかったです。『コンピュータで「脳」がつくれるか』→『人工知能は人間を超えるのか』の順番で読むと理解が深まると思います。(私は逆の順番でしたが楽しく読めました。)
本書の中では、まず人工知能を「汎用AI」と「特化型AI」とにはっきり分けています。(これは、強いAIと弱いAIなどとよく言われています。)簡単に言うと汎用AIというのは、ターミネータやドラえもんのように意識を持っていて、人間と同じような知能を持ったものをいい、特化型AIというのは、チェスや囲碁をするなど特定の作業に特化した能力を持つものをいいます。本書は、「脳のしくみ」について、一つの章をさいて説明しており、汎用AIを実現する方法を脳科学の観点から考察している点が非常に面白く、私はそのような話は初めて目にしました。
また、教師あり学習、教師なし学習、強化学習、ディープラーニングなどについても簡単に解説してあるので、よかったです。最近の人工知能というのは機械が自分で考えているの?人間のように感情を持ったロボットって将来的に実現できるの?とか、そんな素朴な疑問を持っている人は、この本でそこらへんの実情を知ることができるので、オススメです。
あと、最近YouTubeにある下の講演会の動画を見て、すごく勉強になったので、紹介しておきます。『人工知能は人間を超えるのか』の著者の松尾豊も出ています。タイトルにもあるように、何年後に実現するかわからない夢物語ではなく、ここ数年で実現可能な人工知能を用いた技術について討論されています。
www.youtube.com
あと、私も以前、人工知能についての記事を書いていますので、良ければ読んでください。